褐色の恋人、スジャータ
人生はすべて苦です。
この世界の人々を苦から解放するために、私は6年間絶食し、苦いブラックコーヒーだけを飲み続ける苦行をしました。
いくら苦行を続けても悟りへの道は遠ざかるばかりでした。
そんな時、村の娘がやってきました。
「ゴータマ様、このミルクをお入れください。苦がまろやかになります」
「なんという名前だ」
「スジャータでございます」
カフェラテになったコーヒーを飲み、そして気づいたのです。
極端な快楽も苦行もどちらも間違っている。
「中道」こそが悟りへの道なのだと。