005 全身麻酔
手術の準備に数時間待ち時間がありましたが、心電図測定機器やら、全身麻酔の点滴やらがつながれて、
「1,2,3と3回深く息をしてください」
と言われるままに深呼吸すると、ほぼ瞬間的に意識を失いました。
その後は全く意識も感覚も無いのですが、尿を出すためのチューブや呼吸のためのチューブを入れたらしいです。
数時間後に呼びかけられて目が覚めたのですが、目の前がフェードインして明るくなり、水底から浮かび上がったような感覚がします。
全身麻酔は2回目だったので慣れていたのですが、一度死んで、生き返るような不思議な感じです。主にプロポフォールという麻酔薬を使うらしく、いくら意識を保とうとしても瞬間的に意識が消えるので、結局、自分の意識など幻のようなものだと実感します。
それからが、自分にとって最大の苦手である、集中治療室(ICU)で翌朝までの我慢です。私は痛みには強いほうみたいですが、酸素マスクを付けられ、身動きできず、水も飲めないので、まあ、よく言えば長距離航空便のエコノミー席みたいな感じです。
やっと夜が明けたと思ったら、今度は「すぐ起き上がれ」と言われます。
昔は手術後は安静状態が良いとされたらしいですが、現在では、すぐ自力で歩いて、ケガなど外傷の場合は自分で食事をするほうが良いらしいです。
果たして起き上がれるのだろうか。
(2022年11月)